CBDの研究が進むにつれ、科学者や研究者たちはCBDがどのように身体に作用し、不安障害やうつ病などの精神の症状に作用し、身体の不調を整えてくれるかなどの可能性を日々研究しています。
ですが、この素晴らしい恩恵はまず身体にきちんとCBDが吸収されないと発揮されることはありません。
この記事では、複数のCBDの摂取方法を比べ、ご自分がどのようにCBDを摂取するかについても一考していただくための記事となります。
今回は、経口摂取、舌下摂取と蒸気摂取の3つで摂取効率を調べました。
肌に塗る方法は、血流には入り込まないため、摂取効率には適合しません。その為今回は除外します。塗った場合は、湿布付近のエンドカンナビノイドに作用すると言われています。
摂取効率=バイオアベイラビリティ
CBDの摂取効率を表す言葉として、バイオアベイラビリティ(Bioavailability)という言葉があります。バイオアベイラビリティとは、薬剤学において、服用した薬物が全身循環に到達する割合を表す定数です。定義上、薬物が静脈内に投与される場合、そのバイオアベイラビリティは100%となります。
摂取方法 | 摂取効率(バイオアベイラビリティ) | 摂取量の例 |
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経口摂取:ジェルカプセル/食品 | 6~15% | 30mgジェルカプセル=1.8~4.5mgのCBD摂取 |
舌下摂取:チンキ/オイル | 20~35% | 500mgの強さの30mlボトル。1ドロップにつき大体1mgなので、500mg/30ml=16mgのCBDになる。なので、1ドロップにつき大体3.2~5.6mgのCBD摂取になります。 |
蒸気摂取:ベープ | 30~40% | ベープは個人差が大きいため、計算するのが難しいのだが、吸引時間などは考えず、計算上CBD150mgの入ったカートリッジとし、そのカートリッジを終わらせるためには100回吸わないといけないということにする。その場合、1回の吸引につき、およそ1.5mgのCBDとなる。なので、1回の吸引につき、およそ0.45~0.96mgのCBD摂取となる。 |
経口摂取のバイオアベイラビリティ
経口摂取の場合、オイルやカプセル、それに食品があります。この方法は、サプリや薬品を飲むときと同じなので、多くの人が好む方法です。
ですが、経口摂取の場合、肝臓に循環する前に消化器系を通る必要があります。そして、初回通過効果(※)により、CBDの恩恵は半減します。
この過程で、CBDは肝臓、肺、消化管、血液にて代謝されます。これにより最終的に血流に入るCBDの量が大幅に減少し、残りは脂肪細胞に保存されます。
CBDの摂取効率は、6~15%の間になりますが、より持続効時間が長いと言われています。CBDを日頃から常時摂取することにより、エンドカンナビノイドシステムに徐々に溶け出す前に、数日間脂肪細胞に溜まっていきます。
この方法により、CBDが血流に少しずつ時間を掛けて入り込むため、より長い期間にわたって血中で低い濃度を維持し、最長7時間ほども身体の中に滞在する場合があります。
経口摂取は、特定の種類の慢性疾患を患っている人に非常に効果的である可能性があります。そのため、経口摂取の摂取効率はそこまで良くはないですが、常時摂取することにより慢性疾患の人に、大きい恩恵を与えてくれるようです。
※初回通過効果:薬物が投与部位から全身循環血に移行する過程で起こる分解や代謝のこと。結果として薬物の移行量が減少し、場合によっては薬効が発現しない場合がある。経口投与(内服)の場合、小腸から吸収された薬物は門脈を通って肝臓を経て全身血へ移行するが、肝臓には多くの酵素が存在し、薬物によっては大半が代謝される(肝初回通過効果)。また、最近では肝臓のみでなく、小腸にも代謝酵素が存在し、ここでの代謝も無視できないことがわかってきた。内服では初回通過効果が大きく、薬効が期待できない薬物は、注射あるいは初回効果通過を受けない皮膚、鼻腔、直腸下部(坐剤)などを投与経路として用いることがある。
舌下摂取のバイオアベイラビリティ
舌下摂取とは、舌の裏にCBDを垂らし、飲み込まずに1分間程口の中に入れておく方法です。そうすることにより、CBDの成分が舌の裏の粘膜から吸収され、CBDをより効率的に摂取することができます。舌下摂取は、主にオイル、チンキ、トローチやキャンディーが主な製品です。
CBDを舌下摂取した場合、舌の裏の粘膜から吸収されます。
結合組織の毛細血管は、CBDが最終的に血流に入る前に物質を拡散します。
舌下摂取は、初回通過効果の影響を受けないため、一般的な経口摂取よりも良いとされており、血流に入る際の摂取効率はとても高いと言われています。完全な数字は出ていませんが、およそ20~35%の摂取効率と言われています。
本質的に、舌下摂取の方が経口摂取の際よりも少ない容量で同じ恩恵を得ることができるということになります。
蒸気摂取のバイオアベイラビリティ
3つ目の摂取方法は、ベープなどの器具を使い蒸気で身体に入れ、肺から摂取するという方法です。
タバコの喫煙人口が減少したことにより、ベープがこの過去5年程で人気が出て、CBD Vape もCBDの摂取方法として人気が出てきました。
CBDベープは肺に吸収され、そこから血流に入り最終的に血液脳関門にたどり着きます。この方法は、初回通過効果の影響を受けず、経口摂取と比べた際、血流に入り込む量がおよそ3倍と言われています。
CBDのバイオアベイラビリティは30~40%ほどと言われていますが、臨床結果が足りていないため、この数字は確実ではありません。
CBDベープは効果を早く感じられ、効率的なことから多くの人に好まれています。CBDが直接血流に入ることにより、摂取後15~45分の間に感じられ、その効果は2~3時間続くと言われています。
蒸気摂取の場合、より注意を必要とする急性症状の緩和ケアに特に有効であると考えられています。自分の好きなタイミングで喫煙できるため、摂取量を管理したい人に好まれています。ですが、喫煙なので肺や喉を多少のダメージを与える可能性があります。
結論:どの方法がCBDを摂取するのに1番効率的なのか?
この質問に正解はありません。人が1人1人違うように、どの摂取方法が”より良い”とは言い切れません。それぞれメリットとデメリットがあります。
もし、摂取効率だけを見て1番体感が早く、効率が良いのが良ければ、舌下または蒸気がより血流にCBDを早く届けてくれるでしょう。この方法は、急性症状を持っている人におすすめです。
ですが、長期間に渡って全身にCBDを少量ずつ循環させたい人には、経口摂取をお勧めします。前述した通り、経口摂取は、特定の種類の慢性疾患を患っている人が、特に恩恵を感じるであろうと言われています。
蒸気摂取がより早く効率的だと言われていますが、持続時間は短く、より定期的に摂取する必要があります。どの摂取方法もメリットとデメリットがあり、1人1人のライフスタイルに合わせ、より多くのオプションを持っておくことが大切です。
どの方法でCBDを摂取するかの選択の自由を持てることは、この数年間でのCBD業界の大きな成長によるものです。ですがまだまだ研究の必要もあり、今後も次々と発表されるCBDのさらなる研究結果が楽しみです。